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理系の大学に入ると、最初の授業や実験のガイダンスで「関数電卓を用意してください」と言われます。ところが売り場に行くと、1,000円台から2万円台まで値段がばらばらで、どれを買えばいいのか分かりません。
私は早稲田の理工で、グラフ関数電卓(カシオのfx-CG50)を使って実験と試験を乗り切りました。その経験と、カシオ公式の機能比較表をもとに、いくらの関数電卓を買えばいいかを答えます。
・実験がある理系学部(理学・工学・農学・薬学など)なら、関数電卓は買う
・最低ラインは4千円前後のfx-JP700CW(行列・ベクトル計算まで入っている)
・物理や化学の実験が毎週ある学科なら、2万5千円前後のグラフ関数電卓fx-CG100が元を取れる
・買うのは入学後。授業で機種の指定や試験のルールを確認してから
値段で何が違う?価格帯ごとの機能を比較
関数電卓の値段の差は、行列・表計算・グラフの3つが入っているかどうかでほぼ決まります。三角関数・log・統計(平均や標準偏差)は、1,000円台の機種でも計算できます。
| 機種 | 値段の目安 | できること | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| fx-290A | 1,400円前後 | 三角関数・log・統計(回帰も可)。分数や√はそのまま表示できない | 計算は時々だけの文系 |
| fx-JP500CW | 2,600円前後 | 上に加えて、数式が教科書どおりに表示される。微分積分・複素数 | 高校生・数学が少ない学科 |
| fx-JP700CW Amazonで見る | 4,000円前後 | 上に加えて、行列(4×4まで)・ベクトル | 理系の最低ライン |
| fx-JP900CW Amazonで見る | 5,000〜6,500円前後 | 上に加えて、小さな表計算(45行×5列)・確率分布 | 統計の授業が多い人 |
| fx-CG100(グラフ関数電卓) Amazonで見る | 25,000円前後 | 上に加えて、カラーのグラフ描画・大きな表計算(999行×26列)・Python | 実験が毎週ある学科 |
※機能はカシオ公式の機能比較表、値段は2026年9月時点のAmazonの価格(国内正規品)です。値段は変動します。CWの後ろにSが付いたモデル(fx-JP700CWSなど)は、機能は同じです。
表を見ると分かるとおり、4千円と2万5千円の差は「計算できるかどうか」ではありません。計算そのものは4千円の機種でもほぼ全部できます。違うのは、データを表に入れて、グラフで見て、その場で直線を引けるかです。この差がいちばん効くのが実験なので、次の章で私の使い方を書きます。
なお、行列は1年生の線形代数でいきなり出てきます。1,000円台や2,000円台の機種は行列が計算できないので、理系ならfx-JP700CWより下は選ばないほうが無難です。
大学の授業・実験・試験でどう使うか
授業と課題:手計算できない数値が普通に出てくる
工学系の授業では、数値を出す計算が毎週のように出ます。たとえば e35 や ln17 の値は手計算では出せません。課題でこういう値が途中に出てくるので、関数電卓が無いと先に進めません。
実験:その場で傾き・切片・R²を出して、データを取り直すか決める

関数電卓がいちばん活躍したのは、理工学基礎実験です。測ったデータをグラフにして、最小二乗法で直線を引き、傾きや切片、R2値(どれだけ直線に乗っているか)を出す作業を何度もやりました。
グラフ関数電卓なら、データを表に打ち込むだけで、グラフと最小二乗法の結果が一発で出ます。実験の最中に結果がおかしいと分かれば、その場でデータを取り直せます。家に帰ってからExcelで計算して「データがおかしい」と気づいても、もう測り直せません。2万円台のグラフ関数電卓の価値は、ほぼこの1点にあると思っています。
最小二乗法の考え方は、中部大学のこちらの解説が分かりやすいです。
実験室で関数電卓を貸してくれることもありますが、数に限りがあります。他の人が使い終わるのを待つより、自分の1台を持っておいたほうが実験が早く終わります。
試験:関数電卓が無いと解けない問題が出る

大学には関数電卓持ち込み可の試験があります。こういう試験では、関数電卓が無いと答えの数値まで出せない問題がいくつも出ます。計算に時間をかけずに済む分、グラフ関数電卓は試験でも有利でした。前に計算した式と答えが履歴に残るので、途中の値を打ち直さずに済むのも便利です。
2万5千円のグラフ関数電卓が元を取れる人・4千円で足りる人
| グラフ関数電卓(fx-CG100など) | fx-JP700CW / JP900CW | |
|---|---|---|
| 実験 | 物理・化学などの実験が毎週ある。データを直線で近似する実験が多い | 実験が少ない。または計算はPCで済む |
| 学科の例(目安) | 機械・電気・応用化学・物理など | 数学・情報など(計算はPCやプログラムが中心) |
| 使う期間 | 3〜4年間、実験と試験で使い続ける | 1〜2年生の基礎科目だけ |
| 試験のルール | グラフ電卓・プログラム電卓も持ち込める | 「プログラム機能付き不可」の試験がある |
迷ったときは、入学後に実験の授業で何を計算するかを見てから決めてください。4千円の機種を先に買って、実験で足りないと感じたらグラフ関数電卓を足す、という順番でも損は小さいです。4千円の機種は、グラフ電卓が使えない試験の予備として4年間使えます。
買う前に確認すること
試験の持ち込みルール(プログラム機能付きは不可のことがある)
「関数電卓持ち込み可」と書かれた試験でも、「プログラム機能の無いものに限る」「グラフ電卓は不可」と条件が付くことがあります。fx-CG100やfx-CG50はPythonのプログラム機能が付いているので、この条件だと使えません。シラバス(授業計画)の成績評価の欄や、初回の授業の説明を確認してください。
学科で機種が指定されていないか
授業で使う機種を指定していたり、大学生協で入学者向けにまとめて売っていたりすることがあります。入学前に買うのはおすすめしません。最初の実験までに用意できれば間に合うので、4月の授業で指示を聞いてからで十分です。
大学入試・共通テストでは使えない
高校生のうちに買っておこうと考える人もいますが、共通テストでは電卓は使えず、各大学の個別試験でも使えないのが普通です。受験勉強中に使う場面はほぼ無いので、合格してからで大丈夫です。
fx-CG100とfx-CG50、今買うならどっち?
グラフ関数電卓を買うなら、カシオのfx-CG100かfx-CG50のどちらかになります。fx-CG100は2025年7月に発売されたfx-CG50の後継機で、値段はどちらも2万5千円前後とほぼ同じです。
| fx-CG100 | fx-CG50 | |
|---|---|---|
| 発売 | 2025年7月(後継機) | 発売から年数がたった定番機 |
| 値段の目安 | 25,000円前後 | 24,500円前後 |
| 操作 | カーソルで選んでOKキーで決める。計算とグラフの画面をタブで切り替え | 画面下のF1〜F6キーでメニューを選ぶ |
| グラフ・表計算・最小二乗法 | できる | できる |
| 使い方の資料 | まだ少ない | 公式動画・大学生協の講習資料など豊富 |
※発売時期と操作の違いはカシオ公式の開発者インタビュー、値段は2026年9月時点のAmazonの価格です。
新しく買うならfx-CG100をおすすめします。値段が同じなら新しいほうが長く使えますし、カーソルとOKキーで選んでいく操作は、はじめてグラフ関数電卓を触る人でも迷いにくい作りです。
一方で、先輩から譲ってもらえる、授業の資料がfx-CG50前提になっている、という場合はfx-CG50で困ることはありません。私が実験で使っていた機能(計算履歴、グラフへのプロット、最小二乗法、見やすい白い画面)は、fx-CG50でもすべてそろっています。
予算を4千円前後に抑えるなら、行列まで計算できるfx-JP700CWです。
使い方の練習(fx-CG50の公式動画・講習資料)
fx-CG50の使い方は、カシオの公式サイトに動画で上がっています。
名古屋大学生協の講習資料(PDF)も、実験で使う操作がよくまとまっています。講習資料(PDF)はこちら
買ったら、最初の実験の前に「データを入れて最小二乗法を出す」操作だけでも一度練習しておくと、実験当日にあわてずに済みます。
よくある質問
関数電卓と普通の電卓は何が違う?
普通の電卓は四則演算(+−×÷)が中心です。関数電卓はそれに加えて、かっこを使った式、分数、三角関数(sin・cos・tan)、指数・対数(exp・log・ln)、統計、機種によっては行列・複素数・微分積分まで計算できます。

スマホの電卓アプリで代わりにならない?
家で課題をやるだけならスマホでも計算はできます。ただ、試験中はスマホを触れないので、持ち込み可の試験では関数電卓が必要です。
文系でも必要?
基本的にはいりません。統計や経済学の授業で使うことはありますが、その場合も授業で指示があってから、1,000〜3,000円台の機種で十分です。
理系の新入生が買うものをまとめて見たい人へ
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Amazonで参考書や日用品を買うなら、学生はクレジットカードの選び方で年に数千円変わります。
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