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宅浪か予備校か【理系】費用の差は年80万円|わからない問題・添削・ペース管理を宅浪で補う方法

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大学受験に失敗して浪人を決めたとき、最初に迷うのが「予備校に通うか、宅浪(自宅浪人)にするか」です。

私は現役で京大に届かず、駿台のお茶の水校で1年間浪人した理系です。宅浪はしていません。ただ、高2のときに物理と化学を独学で先に進めようとして、理解に苦労して結局あきらめたことがあります。予備校の中から1年間見ていたこと、独学でつまずいたことの両方から、宅浪と予備校の違いを整理します。

先に結論
・費用は、宅浪が年10万〜40万円ほど、予備校は年100万円前後。差は約80万円
・その差で予備校が売っているのは、①わからない問題の質問先 ②記述の添削 ③1年のペースの3つ
・宅浪は、この3つを自分で用意できれば成り立つ。理系で一番困るのは①と②
・添削と質問は、Z会の通信教育(高卒生も受講可)のような通信教育で補える
・宅浪で崩れても、予備校には9〜10月から途中入学できる

宅浪(自宅浪人)とは?予備校浪人との違い

宅浪は、予備校に通わずに、自宅や図書館で自分で勉強して次の年の入試を目指す浪人のしかたです。予備校浪人との違いは、授業・質問・模試・進路相談といった「勉強以外の仕組み」を全部自分で用意するかどうかです。

完全に独学の人は多くなく、実際には次のような組み合わせが一般的です。

宅浪のかたち中身
参考書だけ市販の参考書・問題集と赤本、模試は個人で申し込む
通信教育と併用Z会などの添削・質問を使い、参考書で補う
映像授業と併用スタディサプリなどで授業を受け、演習は参考書
講習だけ予備校ふだんは宅浪、夏期・冬期講習だけ外部生として予備校に通う

宅浪の費用は年10万〜40万円、予備校は年100万円前後

宅浪と予備校の費用

まずお金の話です。予備校は授業料のほかに入学金と講習代がかかり、宅浪は模試代と教材代が中心です。

予備校で浪人した場合

項目金額の目安
入学金駿台 7万円(入学説明会に参加すると4万円)
河合塾 7万円(個別相談の参加などで3.5万円免除)
授業料(1年)駿台 年84万〜120万円(コースで変わる)
夏期・冬期講習取る講座の数しだい。私は夏冬6講座ずつで20万円ほど
模試河合塾の塾生は全統模試を無料で受けられる
合計年100万円前後〜

※駿台の授業料はダイヤモンド教育ラボの2023年12月時点の金額、河合塾の入塾金は河合塾の公式サイトの2026年度の金額です。私が浪人したときは授業料60万円ほど+講習20万円ほどの80万円ほどでしたが、今は値上がりしています。

宅浪した場合

項目金額の目安
模試1回7,600〜7,800円 × 年8回前後 = 約6万円
参考書・問題集・赤本3万〜5万円
通信教育(使う場合)Z会 大学受験生向け 年13万〜20万円ほど
スタディサプリ 年21,780円
講習だけ予備校(使う場合)取る講座の数しだい
合計模試と参考書だけなら年10万円ほど、通信教育を足すと20万〜30万円台

※模試は第2回駿台全国模試が7,800円、河合塾の全統記述模試が7,600円(どちらも高卒生が個人で申し込む場合)。Z会は公式の料金表の月11,165〜16,754円(6ヶ月一括払いの月あたり、2026年9月時点)から計算しています。

つまり、宅浪にすると予備校との差は年80万円前後です。この80万円で予備校が何を売っているのかを知ると、宅浪で何を用意すればいいかが見えてきます。

予備校の浪人コースは、現役生の講座より割安

予備校のお金の話をするとき、見落とされがちなことが1つあります。駿台の現役生向けクラスは1講座が週1回・50分×3コマで、年間では1講座20万円台になります。5教科とると週15コマで、年100万円を超える計算です。

一方、浪人生のコースは週25〜30コマほどの授業があって、年100万円前後です。同じ金額で受けられる授業の量は、浪人生のコースのほうが倍近く多いということです。高いのは確かですが、授業1コマあたりで見ると割高ではありません。

年80万円の差で予備校が売っている3つのもの

予備校

予備校に1年いて感じたのは、授業そのものより「授業のまわりの仕組み」が大きいということでした。宅浪で自分で用意しなければならないのは、次の3つです。

予備校にあるもの宅浪で困ること宅浪での補い方
①わからない問題の質問先解説を読んでもわからない問題が、そのまま積み上がる母校の先生・通信教育の質問・講習の外部生
②記述答案の添削数学・物理の答案が、採点でどう減点されるかわからない通信教育の添削・過去問の模範解答との比較
③1年のペース何をいつまでに終えるかが決まらず、遅れに気づけない模試を先に申し込み、そこから逆算

①宅浪で「わからない問題」が出たときの質問先

宅浪でいちばん困るのが、解答を読んでもわからない問題です。文系科目は調べれば解決することが多いのですが、数学・物理・化学は「なぜその式を立てるのか」が解説に書かれていないことがよくあり、ここで止まります。

質問先費用使える人・注意点
母校(出身高校)の先生無料卒業生の質問を受けてくれるかは学校と先生しだい。事前に相談しておく
Z会の「教えてZ会!」受講料に含まれるZ会の受講者。受け付けから3日後(日曜・年末年始を除く)までに回答。画像も送れる
予備校の講習(外部生)講習代河合塾は講習生もチューター相談・講師への質問ができる。駿台は講習期間中の自習室と進路・学習相談
知恵袋・SNS・AI無料すぐ答えが返ってくるが、間違っていても気づけない。答え合わせではなく「考え方のヒント」として使う

どこに質問するにしても、「どこまでわかって、どこからわからないか」を書いて持っていくと、短いやりとりで解決します。解答のどの行で止まったのかに印をつけておくだけでも違います。

質問しても解決しない問題は、いったん飛ばして印をつけておき、同じ単元の別の問題を解いてから戻ると、意外とあっさり理解できることもあります。1問に何時間もかけないことが、宅浪で1年を回すコツです。

②記述答案の添削(理系は数学と物理で差がつく)

国公立の二次試験や難関私大の数学・物理は記述式です。記述は、答えが合っていても途中の書き方で点が引かれます。自分の答案がどこで減点されるかは、自分で採点してもわかりません。

私は高3のときにZ会の京大の講座を受けていて、添削で数学の記述答案の弱点を直すことができました。予備校なら授業の演習や模試で見てもらえますが、宅浪なら添削のある通信教育を1つ入れておくと安心です。

宅浪で添削と質問を用意するなら
Z会の通信教育 大学受験生向け

Z会の通信教育(高3・高卒生向け)

高卒生も受講できる通信教育で、志望大のレベルに合わせて難関大・最難関大・東大京大プレミアの3プランがあります。
答案の添削と、教材の質問(教えてZ会!)がセットなので、宅浪で足りない①と②をまとめて補えます。
資料請求は無料。教材見本で、自分のレベルに合うかを確かめてから決められます。

※講座内容や最新の料金は公式サイトでご確認ください。

③1年のペース(模試から逆算する)

予備校では、1年のカリキュラムと模試の日程が最初から決まっています。私が駿台にいたときは、授業後も土日も予習・復習に追われ、過去問を解く余裕がないほど、やることが決まっていました。宅浪では、この「やることが決まっている状態」を自分で作らなければなりません。

いちばん簡単なのは、模試を先に申し込んでしまうことです。模試の日が決まれば、「それまでにこの範囲を終わらせる」という締め切りが自然にできます。私も浪人中は、駿台全国模試・記述模試・共通テスト模試を定期的に受けていました。高卒生が個人で受けられる模試は多く、駿台全国模試は会場受験のみです。

理系が宅浪でつまずきやすい理由

理系科目の勉強

物理・化学は「なぜそうなるか」が参考書だけでは埋まらない

数学や物理・化学は、解き方を覚えるだけでは点が伸びなくなる時期が来ます。私は駿台の物理の授業で、微分積分を使って公式を説明する解説から多くのことを学びました。参考書だけでは、こういう別の角度からの説明に出会う機会がほとんどありません。

高2で物理と化学を独学しようとしてあきらめたのも、同じ理由でした。教科書と参考書を読んでも、どこがわかっていないのか自分で判断できなかったのです。

範囲が広く、後回しにした単元がそのまま残る

理系は数学ⅢCと理科2科目があり、文系より勉強する範囲が広くなります。宅浪で自分でペースを決めると、苦手な単元をつい後回しにし、秋になっても手をつけていないということが起きます。予備校なら授業が勝手に進むので、苦手な単元も一度は必ず通ります。

浪人しても全部の科目が伸びるわけではない

浪人すれば1年間勉強できるので全部伸びる、と思いがちですが、実際はそうではありません。私の共通テストは、浪人して伸びた科目がある一方で、現役のときより下がった科目もありました。予備校に通っていてもそうなので、宅浪ではなおさら科目ごとの伸びを模試で確かめる必要があります。

宅浪が向いている人・やめたほうがいい人

宅浪が向いている人宅浪はやめたほうがいい人
生活毎朝決まった時間に起きて、机に向かえる家にいるとスマホ・ゲームに時間が溶ける
勉強のしかた自分で計画を立てて、遅れたら立て直せる現役のとき、学校の課題がないと勉強しなかった
理系科目数学・理科の基礎は現役で固まっていて、あとは演習量物理・化学の基本がまだ曖昧で、授業から受け直したい
質問・添削母校や通信教育など、質問先のあてがあるわからない問題を聞ける相手がいない
お金予備校の費用が家計的に難しい費用は出せるが、なんとなく宅浪にしたい

右の列に3つ以上あてはまるなら、宅浪はかなり厳しいと思います。特に理系で「物理・化学の基本が曖昧」と「質問できる相手がいない」が重なる人は、予備校か、少なくとも講習と通信教育を組み合わせることをすすめます。

反対に、費用の問題で予備校が難しく、左の列にあてはまる人は、宅浪で十分戦えます。足りない3つを最初に用意しておけばいいだけです。

宅浪するなら:理系の1年のスケジュール

宅浪で1年を回すときの目安です。ポイントは、模試と講習の申し込みを先に済ませて、締め切りを外から作ることです。

時期やること
3月不合格の原因を科目ごとに分ける。1年の模試の日程を調べて、受けるものを決める
4〜6月数学・理科の基礎を総復習。苦手な単元はこの時期に終わらせる。最初の模試で現在地を確認
7〜8月夏期講習を外部生として受けるなら、この時期。自習室も使える
9〜10月記述模試・大学別の模試。ここで伸びていなければ、予備校の後期入学も検討する
11〜12月志望大の過去問。共通テスト対策と並行する。冬期講習
1月共通テスト
2〜3月二次試験・私大入試

夏期・冬期講習だけ予備校に行く方法は、こちらで料金と自習室の使い方をまとめています。

「Z会だけ」「スタサプだけ」で宅浪は成り立つ?

予備校の代わりに通信教育や映像授業だけで宅浪する人もいます。役割が違うので、足りない3つのどれを補えるかで選ぶのがいいと思います。

Z会(通信教育)スタディサプリ(映像授業)
補えるもの②添削 ・ ①質問(教えてZ会!)授業(解説を聞き直せる)
補えないもの授業の量②添削 ・ ①質問
年間の費用13万〜20万円ほど21,780円

理系の宅浪で「だけ」にするなら、答案を見てもらえるZ会のほうが足りないところを多く埋められます。私はZ会を高3まで紙の教材で受けていて、今はタブレットでの受講になっています。講座の中身と料金は、受講した京大の講座の体験と合わせてこちらにまとめました。

スタディサプリは授業の代わりとしては安く、添削はないので演習は参考書で補う形になります。スタサプだけで足りるかどうかは、こちらで詳しく書いています。

迷ったら:説明会と体験授業に行き、途中入学も選択肢に入れる

宅浪か予備校か決めきれないなら、まず予備校の入学説明会と体験授業に行ってみてください。駿台は説明会に参加すると入学金が安くなり(7万円→4万円)、河合塾も個別相談の参加などで入塾金が半額になります。行くだけで損はありません。

また、宅浪から予備校への切り替えは途中からでもできます。河合塾には9月期の入塾、駿台には10月からの後期入学があります。春は宅浪で始めて、夏の模試で伸びていなければ秋から予備校に入る、という決め方もあります。

駿台での浪人がどんなものか(学費・クラス分け・1週間の過ごし方)は、私の体験をこちらに書きました。

よくある質問

浪人生のうち、宅浪する人の割合は?

宅浪の割合や成功率を調べた公式の統計はありません。ネット上の「宅浪は◯割」「成功率は◯%」という数字は、根拠がはっきりしないものがほとんどです。

宅浪で東大・京大の理系に受かる?

宅浪で合格した人の体験記は実際にあります。ただし、そういう人は現役の時点で基礎がほぼ固まっていて、足りないのは演習量だけ、という場合が多いと感じます。物理・化学の理解から立て直す必要があるなら、授業と添削のある環境をすすめます。

宅浪で勉強しない日が続いてしまったら?

朝起きる時間と、勉強を始める場所(家の机・図書館・自習室)を固定するのが一番効きます。それでも立て直せないなら、講習の外部生として自習室を使うか、9〜10月からの予備校入学を考えるタイミングです。

親に宅浪を説得するには?

この記事の費用の表のように、1年でいくらかかり、質問・添削・ペースを何で補うかを具体的に見せると話が早いです。「予備校に行かないから安い」だけでは、親は1年の勉強がイメージできず不安になります。

まとめ

宅浪と予備校の費用の差は年80万円前後です。その差で予備校が売っているのは、わからない問題の質問先・記述の添削・1年のペースの3つです。

宅浪は、この3つを最初に用意できるなら十分成り立つ選び方です。ただ理系は、物理・化学の理解と記述の添削で行き詰まりやすいので、質問先と添削のあてがないまま宅浪を始めるのはやめたほうがいいと思います。

浪人するかどうか自体を迷っている人は、浪人に失敗した私の体験もどうぞ。

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