塾・予備校選び

Z会の通信教育と塾はどっちを選ぶ?|中学受験・高校受験の年間費用と併用の線引き【2026年度】

Z会の通信教育と塾の年間費用を比べる 塾・予備校選び
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Z会の通信教育と進学塾、どちらにするか。この比較がむずかしいのは、塾の料金が「月額」で、通信教育の料金も「月額」なのに、その月額が指している中身がまったく違うからです。

この記事では、Z会が公式サイトに出している2026年度の料金表を学年ごとに拾い、1年間に実際に払う総額まで計算して並べます。そのうえで、金額では決まらない部分——誰が進度を管理するのか——をどう判断するかを整理します。

先に結論
  • 中学受験(小5・4教科)の年額は、通信教育で約14万〜29万円、Z会の教室で約64万円(授業料+教材費/季節講習費は別)
  • 高校受験(中3・5教科)の年額は、通信教育で約16万円、Z会の教室で約62万〜78万円(同上)
  • 差は2〜5倍だが、それは「進度の管理を誰がやるか」の値段。安いほうを選んで管理が回らなければ費用はゼロではなく無駄になる
  • Z会は塾との併用専用のプラン(要点集中プラン)を公式に用意している。併用は例外ではなく想定された使い方
  • 公表されている合格実績は通信・教室・提携塾の合算。「通信だけで何人受かったか」は公式サイトからは分からない

もうひとつ、最初に押さえておきたいことがあります。選択肢は「通信教育か、塾か」の2つではなく3つです。Z会には通信教育とは別に「Z会の教室」という通塾型のサービスがあり、首都圏・関西・静岡の教室で、同じZ会グループの教材系統の授業を受けられます。教材はZ会がいい、でも家庭学習だけは不安、という場合の3つ目の答えがここにあります。

どちらも資料は無料です。迷っている段階なら、中身を並べてから決めたほうが早く決まります。

Z会の「通信教育」と「教室」はまったく別のサービス

同じZ会の名前がついていますが、申し込み窓口も、会員番号も、料金の仕組みも別です(2026年度からは会員番号の体系も分かれました)。まず違いを一覧にします。

Z会の通信教育Z会の教室(進学教室・東大進学教室)
形式自宅学習(タブレット+紙)教室に通う集団授業
対応地域全国教室の通学圏のみ(東京・神奈川・埼玉・大阪・京都・兵庫・静岡)
入塾テストなし講座によりあり(学力診断テスト・入会テスト・選抜試験)
入会金無料17,000円(免除・割引の条件が5種類)
料金の単位1カ月あたりの会費(12カ月/6カ月一括で割引)月度ごと。授業が月3週か月4週かで変動
季節講習コース内に含まれる本科生は必修で受講料が別途
支払い方法一括払い・毎月払いを選択払込用紙→口座引落。クレジットカード非対応
進度の管理家庭(アプリが進捗を可視化)教室のカリキュラム

表のうち、判断に効くのは下3行です。季節講習が必修で別料金という構造と、月度によって授業料が変わる構造は、月額だけを見ていると必ず見落とします。次の章で年額に直します。

Z会の教室に入るための入塾テストについては、Z会進学教室の入塾テストに落ちたら|再受験とテスト不要の講座を学年別に整理で、テストが要る講座と要らない講座を学年別にまとめています。

年間でいくら違うのか(公式料金から計算した実額)

以下はすべて2026年度の公式料金表の数字です。月額をそのまま12倍するのではなく、教室側は「どの月が月3回で、どの月が月4回か」まで公式表どおりに数えて合計しています。

中学受験:小5・4教科で比べる

選択肢月額年額(授業料+教材費)
通信教育・要点集中プラン 4教科(12カ月一括)12,068円約14万5千円
通信教育・トータル指導プラン 4教科(12カ月一括)24,140円約29万円
通信教育・トータル指導プラン 4教科(毎月払い)28,400円約34万1千円
Z会の教室・算国理社セット(首都圏)月3回 50,800円/月4回 63,500円約63万8千円

教室側の内訳は、月3回の月(2・3・4・7・12・1月度)が6か月で304,800円、月4回の月(5・6・9・10・11月度)が5か月で317,500円、これに教材費8,000円が前期・後期の2回で16,000円。合計638,300円です。8月度に本科の授業はなく、夏期講習のみになります。

つまり通信教育のトータル指導プランと比べて約2.2倍、要点集中プランと比べて約4.4倍。しかもこの63万8千円に季節講習費は入っていません。

高校受験:中3・5教科で比べる

選択肢月額年額(授業料+教材費)
通信教育・高校受験コース 5教科セット(12カ月一括)13,500円約16万2千円
通信教育・高校受験コース 5教科セット(毎月払い)15,883円約19万1千円
Z会の教室・公立/私立上位高校受験コース 5教科月2週 31,600円/月3週 47,400円/月4週 63,200円約61万6千円
Z会の教室・最難関国私立高校受験コース 5教科月2週 40,050円/月3週 60,100円/月4週 80,100円約77万7千円

中3の教室は、2月度が2週、3・4・7・12月度が3週、5・6・9・10・11・1月度が4週という組み方です(公式サイトに「月4週授業のため、受講料が月3週授業の4/3倍料金となります」と明記されています)。数えると公立・私立上位コースで授業料600,400円+教材費16,000円=616,400円。最難関国私立コースは761,050円+16,000円=777,050円になります。

通信教育との差は3.8倍〜4.8倍。さらに9月度からは志望校別特訓(都立自校作成・神奈川県公立対策・早慶特訓など)を別料金で選べるようになり、こちらは月26,800円〜43,600円+教材費5,000円です。

月額表に出てこない3つの費用

教室を検討するなら、必ず確認すること
  1. 季節講習費が公表されていない。3月度・8月度・12月度は別途季節講習の受講料が必要で、公式サイトの記載は「講習受講料についてはお問い合わせください」。しかも本科生はカリキュラムの一環として必修受講です。年額を知りたければ教室に電話するしかありません
  2. 教材費は期ごとに発生する。本科1期(3〜7月)と本科2期(9〜2月)でそれぞれ請求されます。「分割支払い・返金はございません」とあるため、途中でやめても戻りません
  3. 入会金17,000円。ただし免除・割引の条件が5つあります(後述)

年額を正確に出せないのは家庭の落ち度ではありません。必修の費用が公表されていないので、資料請求か電話をしない限り原理的に計算できないという構造です。逆に言えば、教室を候補に入れた時点で問い合わせは避けられません。


全国平均と比べると、どこに立っているのか

文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」は、家庭が1年間に払った補助学習費(学習塾費・通信教育費・家庭教師費・家庭内学習費の合計)を学年別に出しています。ここに先ほどの金額を置いてみます。

学年公立に通う家庭の平均私立に通う家庭の平均
小411万7千円35万3千円
小514万3千円49万1千円
小618万7千円59万6千円
中117万2千円23万6千円
中224万9千円20万8千円
中339万円26万7千円

読み取れることが3つあります。

  • 通信教育の年額は、どの学年でも全国平均を下回る。小5の要点集中プラン(約14万5千円)は公立小5の平均とほぼ同額、中3の5教科セット(約16万2千円)は公立中3平均の半分以下です
  • Z会の教室の年額は、どの学年でも全国平均を大きく上回る。中3で約62万〜78万円は、公立中3平均39万円の1.6〜2.0倍です
  • 学校外活動費そのものの最大値は公立中3の約44万6千円、私立小6の約89万1千円。中学受験をする小6の家庭が最も支出している学年です

Z会の教室が高いというより、難関校向けの集団塾に通うとはそういう水準の支出をすることだと理解するのが正確です。この金額を前提にできるかどうかが、最初の分岐になります。

通塾を前提にできるなら、次に見るのは通学圏に教室があるかどうかです。Z会の教室には5つの質問に答えるだけの相性診断(LINE・無料)があり、学年とお住まいから通える教室と講座の当たりがつきます。


費用ではなく、この3つで決まる

年額の差が2〜5倍あることは分かりました。ただしその差額は「サービスの質の差」ではなく「代行の範囲の差」です。塾に払っているのは、次の3つを家庭の外に出す費用だと考えると判断しやすくなります。

1. 進度を誰が管理するか

通信教育で最初に崩れるのはここです。教材の質ではなく、「今週はどこまでやるか」を決めて守らせる役が家庭に残ります。Z会はアプリで進捗を可視化し、トータル指導プランでは学習アドバイザーが保護者の代わりに助言する仕組みを用意していますが、最終的に机の前に座らせるのは家庭です。

塾は時間割そのものが管理装置です。週3回18時20分から21時30分と決まっていれば、進度は勝手に進みます。差額はこの装置のレンタル料だと考えると、高いか安いかが判断できます。

2. つまずいた瞬間に聞ける相手がいるか

中学受験の算数や高校受験の数学は、1問で止まると先に進めない科目です。止まってから解決までに何日かかるかが、そのまま学習量の差になります。

保護者が解説できる、あるいは映像授業で自力で戻れるなら通信で回ります。どちらも難しい場合、止まった状態が積み上がって「教材が難しすぎる」という結論になりがちです。教材のせいではなく、詰まりを解消する経路がないことが原因というケースは少なくありません。

3. 週に何日、固定の枠を空けられるか

Z会の教室の中3は、コースによって週3回18時20分〜21時30分、あるいは日曜13時〜17時50分といった時間帯です。ここに送迎と移動が乗ります。金額表に出てこない最大のコストは家庭の時間で、きょうだいがいる家庭ほど重くなります。

こういう家庭は向いている形
決めた時間に自分で始められる。分からない所を自分で戻れる通信教育(トータル指導プラン)
すでに塾に通っていて、特定の教科のインプットを足したい通信教育(要点集中プラン)+塾の併用
放っておくと始めない。質問できる相手が家庭にいない通塾
通塾させたいが教材はZ会系がいい。通学圏に教室があるZ会の教室
通学圏に教室がなく、集団授業も合わないZ会個別指導教室のオンライン個別指導

「Z会だけで受かるのか」——合格実績の正しい読み方

Z会が公表している実績は次のとおりです。

区分公表値
中学受験・国立/私立難関中学850名合格(2026年度・2026年7月31日現在判明分)
同・内訳(抜粋)開成14名/麻布14名/筑波大附属駒場8名/桜蔭9名/東海15名/灘6名
高校受験・志望校合格率94.8%(2025年度)
同・内訳(抜粋)都立西67名/都立日比谷60名/早稲田大学高等学院58名/開成12名/灘2名

数字は立派です。ただしこの数字から「通信教育だけで何人受かったか」は読み取れません。注記にこう書かれているからです。

「Z会員合格者数は、通信教育・映像授業・オンライン授業受講生、教室本科生・講習生、および提携塾のZ会講座受講生の集計です」(高校受験コース合格実績ページ)
「Z会員合格者数は、小学6年生時に以下の講座を受講した方の集計です。Z会通信教育・Z会映像授業・Z会プレミアム講座、Z会の教室本科・講習、および提携塾のZ会講座」(中学受験コース)

つまり開成14名の中に、Z会の教室に通っていた子と、他塾に通いながらZ会の講習だけ取った子が混ざっています。通信一本で受かった人数は公表されていません。

高校受験の「志望校合格率94.8%」も条件付きです。注記では「中3の全てのZ会の在宅模試を受け、登録した第1志望から第3志望のいずれかを受験した会員のうち、そのいずれかの志望校に合格した会員の割合」と定義されています。全部の模試を受け切った会員が母数で、第3志望までを合格に数える計算です。数字が誇張だという話ではなく、「Z会を最後までやり切った層」の数字であって「Z会を始めた層」の数字ではないということです。

この読み方をふまえると、実績表は選択の材料になりません。判断材料になるのは、前章の3つ(進度・質問経路・時間枠)と、実際の教材がお子さんの現在地に合っているかどうかです。教材見本は資料請求に入っています。


併用は成立するのか

結論から言うと、Z会自身が併用を想定した商品を用意しています。中学受験コースの「要点集中プラン」について、公式FAQにこう書かれています。

「要点集中プラン」は、塾に通いながら効果的にインプット学習をしたい場合におすすめのプランで、毎月、「要点」「授業映像」をデジタルで、「授業ノート」を紙の教材で提供いたしますが、提出課題はございません

提出課題がないことが要点です。併用が破綻する最大の原因は「やることが二重になって、どちらも終わらない」ことで、要点集中プランはその部分を最初から外してあります。

併用の実額

足し方月額(12カ月一括)年額
小5・要点集中プラン 1教科3,017円約3万6千円
小5・要点集中プラン 2教科6,034円約7万2千円
小6・要点集中プラン 1教科3,145円約3万8千円
小6・要点集中プラン 2教科6,290円約7万5千円

塾代に月3千円台を足す、という規模感です。教科ごとにプランを選べるため、算数だけトータル指導プラン、理科だけ要点集中プラン、といった組み方もできます。ただし同じ教科について異なるプランを両方選ぶことはできません

高校受験コース(中学生)の2026年度の公式料金表に載っているのは5教科セットの金額のみで、1講座単位の会費は入会申込フォームのシミュレーションで確認する形になっています。中学生の併用を検討するなら、まず1講座いくらかを確かめるのが最初の一手です。

機能する併用と、しない併用

機能する機能しない
塾で扱わない教科を通信で足す(理社・記述など)同じ教科を塾と通信の両方で回す
提出課題のないプランを選ぶ添削課題つきのプランを塾と並行させる
塾に入る前の先取り/塾をやめた後のつなぎとして期間を区切る「保険」として通年でなんとなく続ける
週のどこで通信をやるか、曜日を決めてから申し込む空いた時間にやる、という前提で始める
併用の隠れたメリット。Z会の教室の入会金17,000円には免除・割引の条件が5つあり、そのうちのひとつが「Z会の通信教育を受講されたことのある方 → 入会金を15,000円といたします」です。Z会グループの他塾(栄光ゼミナール・増田塾・大学受験ディアロなど)の本科受講歴があれば全額免除、きょうだいが教室に通っていた場合は10,000円割引。申し込み時に会員番号かZ-IDを伝えないと適用されないので、該当する家庭は忘れずに申し出てください。

迷ったときの決め方

この記事は中学受験・高校受験の制度と公開情報を整理したものです。運営者は中学受験も高校受験も経験しておらず、その一人称の体験談は書きません。

書いている人間について、この判断に関係のある範囲だけ。Z会の通信教育を高校2年から2年間、5科目続けて早稲田大学の理工系学部に進みました。通信が効き始めたのは教材が変わったときではなく、「今週ここまで」を自分で決めて守れるようになってからでした。それまでは同じ教材が机の上で止まっていました。

ここから言えるのは一般論ひとつだけです。通信教育で変わる変数は教材ではなく、進度を管理する主体です。その主体を家庭に置けるかどうかが、年額2〜5倍の差を払う意味があるかどうかを決めます。

もし今、どちらとも決めきれないのであれば、順番はこうなります。

決める順番
  1. 通塾の時間枠が家庭に作れるかを先に決める。ここが無理なら費用比較は不要です
  2. 作れる場合、通学圏に教室があるかを確認する。そのうえで季節講習費を含めた年額を教室に問い合わせる
  3. 並行して通信教育の教材見本を取り寄せ、現在地に合っているかを見る。資料は無料です
  4. 両方の資料が手元にそろってから、年額と時間枠を同じ表に並べて決める

よくある質問

質問公式サイトの記載
Z会の通信教育に入塾テストはある?ない。学年とコースを選んで申し込む形
Z会の通信教育の入会金は?無料
通信教育だけで難関校に対応できる?公式FAQは「トータル指導プランの教材は対象校の入試問題を解くために共通する学習内容を精選しており、学習面については進学塾を利用するのと変わりありません」としている(Z会自身の説明)
途中でやめられる?保護者向けサイトから所定の締切日までに手続きすれば翌月から変更・中止が可能。一括払いは精算される
Z会の教室の支払いにクレジットカードは使える?使えない。払込用紙と口座引落のみ
Z会の教室の季節講習は任意?本科生は必修(カリキュラムの一環)。受講料は別途で、金額は教室への問い合わせ
塾に通いながらZ会も使える?できる。中学受験コースの要点集中プランが「塾に通いながら」を想定したプランで、提出課題がない
通信教育の受講歴で教室の入会金は安くなる?17,000円 → 15,000円。申し込み時に会員番号かZ-IDを伝える

まとめ

Z会の通信教育と塾の年額の差は、中学受験(小5・4教科)で約2.2〜4.4倍、高校受験(中3・5教科)で約3.8〜4.8倍。その差額の中身は、進度の管理・質問できる相手・固定の時間枠の3つを家庭の外に出す費用です。

3つとも家庭で持てるなら通信教育で足ります。持てないなら、差額は妥当な支出です。どちらか一方を選ぶ必要もなく、Z会は塾に通いながら使うための専用プランを用意しています。

最後に、判断に必要なものをもう一度。教室側は季節講習費が非公開なので問い合わせないと年額が出ません。通信側は教材見本を見ないと現在地に合うか分かりません。どちらも、申し込む前に無料で手に入ります。

この記事で参照した公式ページ・統計

※金額はすべて2026年度・税込、首都圏の教室の料金です。関西圏・静岡の教室は料金体系が異なる場合があります。年額は各月度の授業回数を公式表どおりに数えて合計したもので、季節講習費・入会金・志望校別特訓の費用は含みません。本文の内容は2026年9月時点で公式サイトに公開されていた情報にもとづきます。料金・条件は変更されることがあるため、申し込み前に必ず各教室・Z会にご確認ください。

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